題名 〜空と鳥〜
そら ♀活発な女子高生。
友 ♀そらが大好きな女子高生。
先生 ♂35歳くらいのよく怒鳴る男の人。
男君(おとこくん)♂謎の男の子。多分男子高校生
そら「私の名前はひらがな二つでそら。趣味は飛ぶこと。夢は鳥になること。
誰よりも高く飛びたいと想った。そう想ってはじめた走り高跳び。
全国大会2週間前、私は高く飛べなくなった・・・」
先生「そら!どうした!?大会2週間前だというのに!こんなんじゃ代わりを出
したほうがましだぞ!!今日はもういい!練習おわりだ!!」
そら(そういって先生は行ってしまった)
友 「あんなにきつい言い方しなくてもいいのに!うちの学校にそらより高く飛
べる人なんていないつぅ〜の!!!」
そら「ありがとう友。でも先生の言ってること正しいよ・・・」
友 「そら・・・」
そら(私は手洗い場で顔を洗い、屋上に登った。フェンス越しの夕暮れの空を遠くに感じた。)
そら「空ってこんなに遠かったけ・・・?」
そら(私は掌を空に向ける。)
男君「空を遠くに感じるんだ?」
そら「え!?」
そら(急に声を掛けられて振り向いた。そこには男の子が立っていた。)
男君「空ってさぁ、すごく近くにあったりすごく遠くにあったりするよね。
空は好き?」
そら「え!?あっ!はい!!」
男君「そっか。」
そら(そう言うと、男君は昇降口に消えて行った。それと入れ替わりに友が入ってきた。)
友 「あ!ここにいた!もう!探したんだからね!」
そら「え!?なんで??」
友 「な、なんでって・・・。そらが落ち込んでたから。」
そら「友!心配してくれたんだぁ。ありがとぉ!!」
友 「なっ!べつにそこまで心配は・・・。///」
そら(その日の夕焼けは私を包んでくれるように暖たかかった。)
先生「はぁ〜。そら!!お前!やる気はあるのか!!!」
そら「すいません!もう一回おねがします!!!」
友 「そら・・・。」
友 「お疲れ様。」
そら(友が手洗い場で顔を洗ってた私にタオルを渡してくれた。)
そら「ありがとう・・・」
友 「先公のやつ、あんなに怒らなくてもいいのね!!」
そら「仕方ないよ。自己ベストより10cmも低くなってるもん。」
友 「どうしたの?なにかあった?それとも、スランプ??」
そら「わからない・・・。自分でもわかんないの、自己ベストを出したときは
空を近くに感じた。でも今は・・・。」
友 「プレッシャー??」
そら「!!」
友 「みんなのそらに対する期待が重たい??」
そら「そんなことは・・・。」
友 「私さぁ、そらとはじめて会ったとき。この子には翼があるのかもって想った。
楽しそうに飛んでるなって。そらに憧れた。私もそらみたいに飛んでみたい
って想った。でも、今のそら見てると辛らそうに飛んでる。」
そら「ごめん・・・」
友 「そら!!! ごめんね・・・。」
そら(私は走った。重かった・・・友の期待、先生の期待、みんなの期待。重くて、
空がどんどん遠くに行くような感じがした。大好きだった空をすごく遠くに
感じるように・・・・)
〜屋上〜
男君「今日は泣いてるんだね。」
そら(気づくと私は屋上にいた。)
男君「どうしたの?」
そら「逃げ出したくなっちゃった。」
そら(私はフェンスを背に座り込んだ。)
男君「そっか。」
そら(そういうと男君は私のそばに座り黙った。何時間たっただろう・・・。
あたりはもう日が暮れ始めお月様が顔を出しはじめた。)
そら「私ね子供のころ鳥になりたかったの。」
男君「なんで?」
そら「鳥って大空を自由に飛んでるだよぉ。すごく気持ちよさそうに。
そんなとこに住んでる鳥たちって。いったいどんな気持ちなのか
なぁって・・・」
男君「鳥が好きなんだ。」
そら「うん!大好き!」
男君「そっか。」
そら「ありがとう。」
男君「ん?」
そら「気持ちがすこし楽になった。ありがとう。じゃぁ私はそろそろ帰るね。」
男君「うん。」
男君「鳥にも休息が必要なんだよ。たまには枝に止まって羽を休めないといけない。」
〜次の日の部活〜
友 「そら?」
そら「ん?」
友 「何かいいことあった??」
そら「え!?なんで??」
友 「なんか楽しそうだから。」
そら「なんにもないよ。」
友 「なにがあったのよぉ。いいなさいよ。」
そら(そういって友が背後から、抱きついてくる。)
そら「ほんとになんにもないよぉww。」
先生「遊んでる暇があったら記録を伸ばせ!!!」
友 「ッケ!記録記録ってうるさいやつ!」(ボソッ)
そら「聞こえちゃうよ!」(ボソッ)
先生「ん?何かいったか??」
友 「いえ!なにも!!ささ!練習練習ぅ〜っと。」
そら(今日の練習でも記録は伸びなかった。次の日も、その次の日も・・・
私は最近、男君に会いに屋上に行くことが多くなった。男君と話すと
落ち着けた。いろいろな話をした。私が走り高跳びを始めたきっかけ、
はじめて大会に出たときのこと。自己ベストを更新したときの気持ち
のこと。男君はそれをやさしく頷きながら聞いていた。)
そら「でも最近は全然飛べなくなった。全国大会が近いのに・・。やっぱり
此処が私の限界のかな・・・?」
男君「鳥はいつもドコを見て飛んでると想う??」
そら「え? ん〜どこだろ??わかんないや・・・。」
男君「それがわかれば今よりももっと高く飛べるんじゃない??」
そら(それだけいい残して。男君はどこかにいってしまった。)
そら「どこを見て飛んでるんだろ・・・。わかんないよ・・・そんなの・・・。」
そら(屋上に行っても男君の姿はどこにもなかった。明後日には全国大会。
明日は全国大会の会場の近くのホテルに行くことになってる。このままじゃ
全国大会にいったって、いい成績はだせない・・・。)
〜屋上〜
そら「せめて今日だけでも会いたかった・・・。」
友 「あ!またこんなところにいた。」
そら「どうしたの!?」
友 「明日出発なんだから、今日は早く帰って準備しなくちゃいけないんでしょ。」
そら「そうなんだけど・・・。」
友 「まだ、スランプ状態??」
そら「多分・・・」
友 「そっか。ごめんね力になってあげられなくて・・・。でもね。これは、そらが
自分で乗り越えなきゃいけない壁なの。私には何もしてあげられないけど。
私はそらの近くで応援してる。そらは1人じゃないんだよ。」
そら「ありがとう!とも!」
そら(私はともに抱きついた。)
友 「ちょ!やめてよ!!///」
そら「ねぇ〜友。」
友 「ん?どうした??」
そら「鳥ってさぁ。ドコみて飛んでるんだと想う??」
友 「なにそれ?w でも、そんなこと考えたことないなぁ。」
そら「そっか。ありがとう。」
そら(私は全国大会でちゃんと飛べるのだろうか・・・。)
〜大会当日〜
そら(全国大会当日、私はまだ男君が言った言葉の意味がわからないままだった。)
先生「いいか。そら。お前はやればできる!!まずは確実に飛べる範囲を飛ぶんだぞ!!」
そら「はい。」
友 「大丈夫??」
そら(友は私のマネージャーとして一緒に来てくれた。)
そら「・・・うん。やれるだけやってみるよ!!」
友 「そら・・・。そっか!頑張って来い!!」
そら(測定場に付くと心臓が壊れそうなくらいに脈を打ち始める。どうしようドキドキが止
まらない。)
友 「そら?高さの設定どうする??」
そら「えっとぉ・・・。私が、いつも飛んでるやつお願い・・・。」
友 「わかった。それでホントにいいね??」
そら(私が頷こうとしたとき一羽の鳥が空に飛び上がって行った。)
男君『それがわかれば今よりももっと高く飛べるんじゃない??』
そら「あ!そっか。ごめん!!やっぱり、私の自己ベストでお願い!!!」
友 「え!?自己ベストってあん・た・・・そっか、わかった!!!」
そら(友はニコっとして行ってしまった。)
そら「男君、やっとわかったよ。男君がなにをいいたかったのか。そうだよね。
あたりまえのことだったんだね。ありがとう。男君。」
そら(ジャンプした私の視界は一面の青空だった・・・・。
全国大会は無事に終わった。結果は優勝!!!ってまではいかなかったけど3位だ
った。友や先生やみんなはすごいすごいって言ってくれた。とてもうれしかった。
男君にも伝えたかったけど、それ以来男君とは会えなかった。屋上に行っても男君
の姿はなかった。でも、大会の時、人ごみの中で男君が笑った陰が見えたような気
がした・・・。
私は、いつしか練習の辛さやプレッシャーからジャンプの時地面ばかり見ていた。
鳥はいつだって飛ぶ時大空をみていた。だから鳥は大空を自由に飛び回りドコまでも
遠くにドコまでも高く飛んでいける。)
〜大会が終わった次の日〜
男君「君の背中には羽があるどこまでも飛んでお行き・・・。」
そら「え??」
友 「どうしたの??そら??」
そら「ん〜ん。なんでもない。」
友 「へんなのw。」
先生「こら!! なにさぼってる!!!」
友 「あぁ〜うるさいなぁ。」(ボソッ)
先生「なにかいったか??」
友 「なにもいってません!!!」
そら(暖かい風とともに男君の声がしたよう気がした。)
FIN
作者からの一言
この物語はフィクションです。
初めて書いたので文が変なところとかがあるかもしれませんが勘弁してやってください。
最後に見ていただいてありがとうございます。